仏具・荘厳具
このページの要点
厨子(ずし)は、仏像・位牌・経巻などを納めるための扉を備えた箱型の仏具です。扉を開閉して用いるため、他の仏具と違って「動く部分」の傷みが必ず出ます。「扉が閉まりにくい」というご相談が最も多く、その原因は木地の狂い・金具の緩み・敷居の摩耗のいずれかに切り分けられます。

厨子とは、仏像や経巻、位牌などを納めるための、扉のついた箱型の仏具です。
「ずし」と読みます。両開きの扉を備えるものが一般的で、普段は扉を閉じ、法要などの折に開扉して御本尊を拝します。
寺院の内陣に据える大型のものから、持ち運べる小型のものまで大きさはさまざまです。屋根を持つ建築的な形式のものもあり、その場合は宮殿(くうでん)と近い意匠になります。
本体の箱部、開閉する扉、それを支える台座から成り、扉は藁座や蝶番といった金具で吊り込まれます。
| 箱部 | 本体。外面は黒漆や朱漆、内面は金箔押しとするのが一般的です。 |
| 扉 | 両開きが多く、框(かまち)で組まれます。面に彫刻や彩色、錺金具が施されます。 |
| 藁座(わらざ) | 扉を吊り込むための部材・金具。扉の重さを受ける要の部分です。 |
| 幣軸(へいじく) | 扉の枠にあたる部材。 |
| 台座 | 厨子を受ける台。須弥壇の上に据える場合もあります。 |
外は落ち着いた漆、内は金箔という仕立てが多いのは、扉を開いたときに内部が光を受けて輝き、御本尊が浮かび上がって見えるようにするためです。閉扉時と開扉時で表情が変わることそのものが、厨子の意匠といえます。

原因は主に三つあり、木地の狂い・金具の緩み・敷居や框の摩耗に切り分けられます。表面を塗り直しても直りません。
| 木地の狂い | 症状:扉が反り、上下や左右で当たり方が違う。原因:乾湿の繰り返しによる木の伸縮。対処:反りの矯正、框の調整。 |
| 金具の緩み | 症状:扉が下がる、ぐらつく。原因:藁座や蝶番の鋲穴の傷み。対処:鋲穴の補修、金具の締め直しや補作。 |
| 摩耗・擦れ | 症状:擦れ跡がある、開閉時に音がする。原因:長年の開閉による当たり面の減り。対処:当たり面の調整、塗膜の補修。 |
いずれも原因は塗装の下、あるいは金具の内側にあります。見た目を整えるだけの塗り直しでは、しばらくして同じ症状が戻ります。ご相談の際は「いつ頃から」「どの向きに閉まりにくいか」をお聞かせいただけると、原因の見当がつきやすくなります。
原因が金具の緩みや当たり面の摩耗にとどまる場合は、部分的な手当てで改善することがあります。木地の狂いが大きい場合は、扉を外しての修理が必要です。
| 部分的な手当てで改善しやすい | 藁座や蝶番の鋲のゆるみ、当たり面の軽い擦れ。 |
| 扉を外しての修理が必要 | 扉の反りが大きい、框が割れている、鋲穴が傷んで金具が効かない。 |
建付けの手当ては、塗り直しより手間が小さく済むことが多い一方で、原因を取り違えると効果がありません。まず原因を切り分けることが、無駄な費用をかけない近道です。
扉を外して原因を確かめるところから始め、木地を直したうえで塗りと金具を整え、最後に建付けを合わせます。

承ります。既存の意匠を踏襲したものから、御堂の寸法や御本尊に合わせた設計まで対応します。
新調でまず確認するのは、「どこに置くか」と「何をお納めするか」です。
関連会社である株式会社若林佛具製作所(創業 天保元年/1830年)と連携し、木地から荘厳までを一貫して整えることができます。
扉を閉じた状態と開いた状態の写真、傷んだ箇所の寄り、設置場所の寸法と搬出経路が分かると、段取りが具体的になります。
搬出が難しい大型の厨子は、現地で施工します。お預かりする場合も現地施工の場合も、工程のあいだに漆の硬化を待つ時間が必要になるため、期日のご希望は早めにお知らせください。
乾拭きを基本とし、湿気と直射日光を避けてください。金箔の面は原則として拭かないことが大切です。
| 乾拭きが基本 | 柔らかい布で軽く。水や洗剤、化学ぞうきんは塗膜を傷めます。 |
| 金箔は拭かない | 金箔は極めて薄く、拭くと擦れて失われます。埃は毛先の柔らかい刷毛で払う程度に。 |
| 湿気を避ける | 結露や床からの湿気は、金箔の浮きや木地の狂いの原因になります。 |
| 直射日光を避ける | 漆は紫外線に弱く、艶引けや白化の原因になります。 |
「良かれと思って磨いたら金が取れてしまった」というご相談は少なくありません。迷ったら触らず、まずご相談ください。
厨子とは、仏像や経巻、位牌などを納めるための扉のついた箱型の仏具です。両開きの扉を備えるものが一般的で、普段は扉を閉じ、法要などの折に開扉して御本尊を拝します。外面は黒漆や朱漆、内面は金箔押しとするのが一般的です。
原因は主に三つで、乾湿による木地の狂い、藁座や蝶番など金具の緩み、長年の開閉による当たり面の摩耗に切り分けられます。いずれも原因は塗装の下や金具の内側にあるため、表面を塗り直すだけでは再発します。
できます。既存の意匠を踏襲したものから、御堂の寸法や御本尊に合わせた設計まで対応します。設置場所の寸法、納める御本尊の寸法、扉を開くのに必要な余裕、宗派の形式などを確認したうえで進めます。
柔らかい布での乾拭きが基本です。水や洗剤は塗膜を傷めます。金箔の面は極めて薄く拭くと失われるため、原則として拭かず、埃は柔らかい刷毛で払う程度にしてください。湿気と直射日光も避けてください。
扉を閉じた状態と開いた状態の全体写真、内面の金箔や扉の当たりなど傷んだ箇所の寄り、設置場所の寸法と搬出経路の幅、閉まりにくさの状況をお知らせください。搬出が難しい大型の厨子は現地で施工します。
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