錺金具
このページの要点
漆箔(しっぱく)とは、漆を接着剤として金箔を貼り付ける(押す)技法です。ここで最も大切な事実は、金箔そのものには強度がないということです。厚さは1万分の1ミリ程度。美しさも耐久性も、下にある漆と下地の状態でほぼ決まります。「金箔が剥がれた」というご相談の多くは、実は下地の問題です。

漆箔とは、漆(箔下漆)を接着剤として用い、その粘着力で金箔を押す技法です。
木部にも金属にも用いられ、社寺建築の装飾、須弥壇や宮殿などの荘厳具、錺金具の仕上げなど、幅広く使われます。
つまり金箔は「乗っているだけ」で、支えているのは漆と下地——これが漆箔を理解する要点です。
下地づくりから始まり、漆を塗り重ね、箔下漆の粘りが適した頃合いを見て金箔を押します。
④のタイミングの見極めが職人の勘どころです。早すぎれば箔が沈み、遅すぎれば付きません。漆は湿度で硬化するため、季節や現場の環境によって適期が変わります。同じ手順でも、その日の天候で待ち時間が変わるということです。

下地の平滑さ、箔下漆の塗り方、箔を押す頃合いの三つで差が出ます。
| 下地の平滑さ | 金箔は極めて薄く、下の凹凸をそのまま映します。下地のわずかな凹みも、金の面では光のゆがみとして見えます。 |
| 箔下漆の塗り方 | 薄く均一に塗ることが求められます。ムラがあると、金の艶にもムラが出ます。 |
| 押す頃合い | 漆の粘りが適した状態を見極めます。漆は湿度で硬化するため、季節や天候によって適期が変わります。 |
使う金箔が同じでも仕上がりに差が出るのは、金箔の下にある仕事が違うからです。
漆箔は「金箔を貼る」、鍍金は「金の層をつくる」技法で、使える素材と修理のしやすさが違います。
| 漆箔 | 漆で金箔を貼る。木部にも金属にも使える。修理では押し直しが可能。 |
| 鍍金 | 金属の表面に金の層を形成する。金属に対して行う。水銀鍍金など。 |
錺金具の仕上げでは、部位や当初の仕様に応じてどちらを用いるかを決めます。木部が絡む箇所は漆箔、金具単体で耐久性が求められる箇所は鍍金、という使い分けが基本になります。
金箔自体の問題ではなく、湿気・下地の劣化・木地の動きという「下の層」に原因があることがほとんどです。
| 湿気 | 裏側からの湿気で下地が動き、箔が浮きます。床下や壁際からの湿気が原因のことがあります。 |
| 下地の劣化 | 下地が痩せる・粉状になると、その上の層ごと剥がれます。 |
| 木地の動き | 乾湿による木地の伸縮で塗膜に負担がかかり、ひび割れから剥離が進みます。 |
| 物理的な摩耗 | 手が触れる箇所、拭き掃除をする箇所から減っていきます。金箔は拭いてはいけません。 |
| 煤・汚れ | 灯明の煤が積もると黒ずみ、清掃しようとして箔を痛める悪循環が起きがちです。 |
したがって金箔だけを押し直しても、原因が残っていれば再発します。まず原因を特定することが、費用を無駄にしないための第一歩です。
拭かないことが基本です。埃は、毛先の柔らかい刷毛で払う程度にとどめてください。
黒ずみが気になるときは、ご自身で落とそうとせず、まずご相談ください。状態を見たうえで方法を判断します。
下地が健全なら部分的な押し直しで済み、下地から傷んでいれば塗り直しに戻る必要があります。
| 部分的な押し直し | 剥離が局所的で、周囲の下地が健全な場合。ただし新旧で金の色味が違って見えることがあり、範囲の取り方に判断が要ります。 |
| 面での押し直し | 一つの面全体を押し直す。色味の差が出にくく、見た目は落ち着きます。 |
| 下地からやり直す | 下地が痩せている、湿気の影響が広い、木地が動いている場合。手間は増えますが、これが必要な状態で表面だけ直しても数年で戻ります。 |
当社では状態を確認したうえで、どこまで戻して直すべきかを含めてご提案します。ご予算に応じて段階的に進める方法もご相談いただけます。
剥離の範囲と原因を確かめ、傷んだ層を処理して下地から整え、箔下漆を塗って金箔を押し直します。
当社は漆塗り・金箔押し・錺金具を自社の技能者で施工するため、木部の漆箔と金具の金色を一体で揃えられるのが利点です。
漆箔とは、漆を接着剤として金箔を押す技法です。木部にも金属にも用いられ、社寺建築の装飾、須弥壇や宮殿などの荘厳具、錺金具の仕上げに広く使われます。金箔は厚さ1万分の1ミリ程度で強度がないため、耐久性は下の漆と下地の状態で決まります。
漆箔は漆で金箔を貼る技法で、木部にも金属にも使え、修理では押し直しが可能です。鍍金は金属表面に金の層を形成する技法で、金属に対して行います。木部が絡む箇所は漆箔、金具単体で耐久性が求められる箇所は鍍金という使い分けが基本です。
金箔自体ではなく下の層に原因があることがほとんどです。裏側からの湿気で下地が動く、下地が痩せて粉状になる、乾湿で木地が伸縮して塗膜に負担がかかる、拭き掃除による摩耗などが主な原因です。金箔は拭いてはいけません。
原因が下地にある場合は再発します。下地が健全なら部分的な押し直しで済みますが、下地が痩せている、湿気の影響が広い、木地が動いているといった場合は、下地からやり直す必要があります。表面だけ直しても数年で戻ります。
拭かないことが基本です。金箔は極めて薄く拭くと確実に減るため、埃は毛先の柔らかい刷毛で払う程度にとどめてください。水や洗剤は使わず、煤も無理に落とさないでください。浮いている箇所は触れると剥がれ落ちることがあります。
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